カノパン

とある男子高校生のブログです。天体写真撮影、書評、人生考察をメインに月に一、二回投稿します。記録を付けるために書いています。

フィルターの紹介

定期試験が終わったので久しぶりにブログ書きます。

試験期間中はテスト一本かと思いきや、普通に写真撮りに出かけてました(笑)

まぁ取らないといけない教科はしっかり勉強したので大丈夫でしょう

 

さてさて...

今回はフィルターを何枚か入手したので紹介したいと思います。

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左はケンコーのR64フィルターで、右はAstroLPR Type2です。借りものです。

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R64を借りたのにはちょっとした作戦があります。特性曲線を見てわかるように、R64は640nm以上の波長を透過するフィルターです。デジカメの方は赤外カットフィルターの影響で700nm辺りまでしか透過しません。Hα線は656.3nmです。つまりHα線付近の波長のみ透過することになるので、ナローバンドフィルターに近い特性を得ることができます。それもかなり安く。実際、下のR1フィルターはリサイクルショップで330円で購入したものです。ナローバンドフィルターだと半値幅12nmでも一万円は超えます。一方デメリットもあります。一眼レフカメラの分光特性です。データが少ないのではっきりとは言えませんが、IRフィルターによって656.3nm付近のセンサーの透過率が半分を下回っている可能性があるので写りが悪くなることが予想されます。AstroPRの方はおまけです。いずれ半値幅7nmのHαフィルターかQBPを買うつもりでいるので、光害カットとナローバンドで違いを見てみるのもいいかもしれません。

 

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左がKenko のR1フィルターで、右はYA3です。コントラストは R1>YA3です。

 

R1

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 YA3

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この二つのフィルターはリサイクルショップで安く手に入れました。主に使うのは656nmに近いR1になりそうですね。今まで紹介したKenkoのフィルターは全部色素フィルターなので、広角にも付けられます。

 

 

 

理系に歴史選択は必要なのか

オンライン授業で腰回りを痛め、筋トレをやりすぎて筋肉痛だったことも重なり丸2日間寝たきりだった高校生は誰でしょう? 

そう、カノパンです。

 

今回は理系を選択している私から見て、歴史選択は必要なのか書いていきます。ここでの歴史とは主に世界史のことを指します。

おそらく大半の人は「そんなの取る必要ないね」と即答するかと思います。歴史取っても受験で使わないし、必然的に勉強量が増える分他の教科に影響が出るだろうと。しかしある時、これまで人類がどのようにして発展してきたのか、国の歴史・文化を知らないということは、これからのグローバル社会を生きていく上で恥ずかしいことなのではと、私は疑問に思いました。海外で歴史の知識が必要になるシーンは容易に想像できます。歴史は英語の次ぐらいに国際的な教科なのかもしれません。(数学はその次くらい?) とは言っても現実的に理系で歴史を取るのは難しいでしょう。理由は先ほど述べた通りで、高校、大学先生にナンヤコイツと訝しがられるはずです。本当に必要だと思っているのならそんなの気にせずに取れよと言われそうですが、周囲から浮く、悪いイメージを持たれることは時に実績よりも重視されるようです。これは読書から学んだ、人生における教訓の一つです。話を戻しますが、じゃあ理系でありながら歴史を学ぶにはどうすればいいかというと、これはもう独学しか無いと思います。もし仮に歴史選択を取ったとすると、あまり興味のない、必要のない知識を半ば強制的に覚えることになります。それでは非効率的ですし、人間興味のないことは頭に入りにくいものです。その点、独学ならば自分の知りたいことだけを知る自由な勉強ができるうえ、他教科への圧迫が少なく済みます。受動的に学校の授業を受けるだけではダメで、自発的に貪欲にあらゆる知識を吸収することが成長期の私たちに不可欠なのでしょう。

まとめると、歴史の知識は国際社会で生きていく上で必要だが、それは学校の授業としてではなく独学で学ぶべきです。

 

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P.S. 

私はどうやら書きながらものを考えるタイプの人のようです。頭だけで考えていると、突然頭の中がぼーっとしていまうことがよくあります。しかし、書きながら考えているとそういうことはあまり起こらず、自然にぽつぽつとアイディアが湧き出してくるのです。筆が乗ってくるとより顕著にそれは現れます。こうこうこうだから、こうだろうという形で現れるのではなく、全く考えもしていなかったところからポンと出てくるのです。インスピレーションに近いものだと思います。考えていないのに、新しい考えが生まれる。なんとも不思議なものです。いや、考えてはいないまでもある程度意識はしていますね。思ってはいるという程度です。

天の川の撮影・画像処理方法を考えてみる

 最近買いたいものばかり増えて悩んでいる、しがない高校生は誰でしょう?

 そう、カノパンです。

 

 以前、このブログは自分用に書いていると言ったのですが、天体写真関係は読者の方が読みやすい文章で書くことを心掛けるようにしました。ブログを始めてから2週間が経ち、アクセス解析を初めて見ました。するとアクセス元の7割がTwitter、3割がBing(検索サイト)でした。さらにBingの方を詳しく見ると、光害フィルターで検索すると私のブログがヒットするようです。そこで「これはきちんと読者向けに書かなければ!」となったわけです。

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 話がそれましたが、今回は新たな天の川の撮影方法についてです。これは天の川でなくとも、銀河であれば使える方法だと思います。ただ、この方法はまだ実際に使えるかどうかの検証が済んでいないので、机上の空論です。また、私は画像処理の経験が浅い上に、カラー合成についてはきちんと理解している自信がないので、そのことはご承知おき下さい。

 

 この処理方法はLRGB合成が基本になっていて、L画像にブロードバンドフィルターで撮った画像とSAO(SⅡ、Hα、OⅢ)画像を加算し、当てはめる方法です。ブロードバンドフィルターの画像は名前が長いので、頭から二文字取ってBR画像としておきます。輝度情報は天の川の流れが写っているBR画像と、星雲のディティールが写ったSAO画像を加算しているので、要はいいとこ撮りです。L画像になるので、露出時間はたっぷりかける必要があります。

  1. BR、SAO、RGBのフィルターで撮影 (計7枚)
  2. ダーク減算、フラット補正処理
  3. 加算平均合成 
  4. BR画像、SAO画像の調整 (合成下準備)
  5. BR画像とSAO画像を加算合成
  6. モノクロ化、デジタル現像

RGB画像は通常の合成処理と同じです。

  1. BGB画像の調整 (合成下準備)
  2. RGB合成

あとはL画像とRGB画像を合成するだけです。  

  1. L画像とRGB画像をLRGB合成。
  2. レタッチ
  3. 完成!

 細かく並べると30近い処理になるので、大雑把にまとめてみました。この処理は仮に(BR+SAO)RGB法とでもしておきましょうか。SAOの色情報を捨てるのはもったいない気もしますが、よく見るRGBで表した方がうけが良いでしょうし違和感も少ないです。(私の個人的な意見です) デメリットは総露出時間がえらく長くなるので、冬場の撮影が望ましく、天気運にも左右されることです。他にも冬の天の川は夏に比べてインパクトが小さいことや、バッテリーの持ちが悪いことが挙げられます。

 SAO合成した後に星を消して星雲だけの画像を作り、(BR)RGB画像に載せる処理もできそうですね。カラーバランスがぐっちゃぐちゃになりそうですが。そこまで行くと写真というより、絵作りに近いのでどうなのかとも思います。私はそこまで厳密に写真と画像(絵)の区別はつけず、ガンガン処理します。

 (BR+SAO)RGBが使えるのかどうか検証してみたいのはやまやまなのですが、何分高校生なので資金繰りに苦労しますね。しばらくは一眼での星景写真がメインになりそうです。まぁメインの学業もあることですし、上ばかり見ていないで他の趣味や高校生活を楽しむことも大切でしょう。それらとの両立を図りつつ高校卒業までには一通り機材を購入して、大学生になったら遠征に行きたいですね。

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D7100 Sigma18mm f3.5 iso 100 ss30×180

 

旅の効用

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 旅の効用はスウェーデンの人気旅行雑誌の創業者ペールアンディションが執筆した第二作だ。彼自身一人の旅人で、世界各地で放浪を重ねながら旅の意味について考える。金を使わないほど、時間をかけるほど貴重な体験ができると信じて、時にはヒッチハイクをし、進んでユースホステルや民宿に泊まり、そこに住む人々や文化を理解しようとしている。この本は題名から分かる通り、旅行記というよりも考察など説明的な文章が多い。その多くは読んだり、聞いた他人の旅から、教訓になる考えを汲み取るものだ。鮮明な風景描写や奇妙で個性豊かな人々はそれほど描かれていない。しかし、名言や考えさせるような文が多く読みごたえがある。

「旅は、私たちがホモサピエンスであることと関連がある。好奇心だ。『無用な』知識を求めて努力し、知恵を拡大し、視野を広げ、世界像を拡大し、混沌を整理し、秩序を確保しようとする意志である。」

「私たちは体験でできているのだ。体験の結実なのだ。体験する印象が増えれば増えるほど、私たちは人間として成長する。」

 

 この本を読んだことは、私にとって非常に大きな意味を持っている。読み終えた今、そのことをひしひしと感じている。彼の考え方は私の考えと共通する部分が多いためか受け入れやすく、積み重ねられた経験や人付き合いから来る洗練された考えはとても興味深かった。これからの人生を考える今の時期にうってつけだったのだろう。筆者や文中に登場する人の人生をなぞり、仮想体験する。これは本でしかできない体験だと考えている。ただ他人の人生にコミットする必要があるので、自分と考え方が近しい人や読みやすい文体でないと難しい。

 本書によく出てくるバックパッカーとは、どんな人なのだろうかと思ったので、ネットでブログを検索してみた。するとほとんどお金を使わずに4年間世界各地を旅している方がいた。文化交流や小時間労働をする代わり、寝る場所や食事を提供してもらっているそうだ。イスラエルキブツに近いものらしい。もちろん移動はすべてヒッチハイクだ。まったくお金をかけず(航空運賃以外)に海外旅行ができるとは考えもしていなかった。日本国内ではヒッチハイクやホームステイの文化があまりないからだろう。ブログを読んでいるときは、なにか新鮮な心持ちだった。ただ、自分がそういった旅をすると想像すると、旅の間、金銭面の不安がずっと拭えない気がする。仕事がなくなったら、親切にしてくれる家が見つからなかったら。心配に思うのは当然だと思う。しかし本当に困ったときでも、案外何とかなるものだと筆者は自分の経験をもとに話している。以前読んだ村上春樹旅行記にも、同じような記述が確かあった。旅人に楽観的なイメージがあるのは、彼らがこのことを知っているからだ。列車は前に進むのだ。

 放浪旅は不安の連続であるとともに、一つの大きな壁でもあるようだ。金をかけずに長期間旅を続けると、地元民との関わりが生まれるが基本的には一人だ。強い孤独を感じる。信じられるのは自分だけ。これは自分で選んだ孤独に耐える試練なのだ。

例えば一年間アジア放浪の旅をしたとしよう。私は良好な人間関係が築けるようになり、視野が広がり、細かいことに気づけるようになるだろう。けれども、これだけ利点があると理解して、信じていても、旅に出ることを体が拒んでいる気がしてならない。安定を求め、保守的になるのは人の性質なのだろう。未知への不安はおそらく誰しもが抱いている感情だ。だが私は、大学を出たら一年間放浪の旅をしようと心に決めた。この壁を超えることでしか、世界は広くならない。私は今、来年度に使う配られたばかりの教科書を繰っているかののような気持ちだ。当面の目標が決まり、新たな道が目の前に開けたからである。血液が濁流のように胸の中を渦巻いている。

 「探すのをやめないこと。旅をやめないこと。なぜなら広い世界が待っているからだ。世界が小さくなることはない。」

 

 

 追記 私はどうも書評を書くことよりも、感想を書くことの方が向いているらしい。初めから書くべきことが決まっていて、私はそれをつないで、まとめているだけだ。肉付けや間を入れるスペースがない。初めての書評はそんな印象だった。説明文を意識するあまり、自分なりの文体を抑えすぎたのだ。次回は書評に再チャレンジするかもしれないし、感想だけかもしれない。自由気ままに、ノープランで書いていく。

 

光害カットフィルターのあれこれ

 


 今回は光害カットフィルターの概要や活用法について詳しくまとめました。 

 光害カットフィルターは光害の原因になる波長をカットして、天体由来の波長を透過するフィルターで天体撮影には必須です。各フィルターの特性曲線を見るとどの波長が透過するのか、しないのかが分かります。元の販売会社のホームページに大抵載っています。色素タイプと蒸着タイプの二種類があり、前者は透過しない波長を吸収する、後者は反射するフィルターです。色素タイプは正面から見ると背後が透けて見え、広角レンズの前面に付けても透過する波長のずれが起きません。色ガラスフィルターとも呼ばれるそうです。ちなみにStarrynightがそうです。一方蒸着タイプは金属膜のような外見で、鏡のように光を反射します。このタイプは広角レンズの前面に付けると傾斜入射光によって波長透過特性が移動してしまいます。これによりカラーバランスが崩れ、色むらが発生する可能性があります。そのためカメラボディ側に付けるクリップタイプもあり、こちらは使用するレンズを選びませんが、ゴーストが出やすかったりバックフォーカスの変化によって周辺像が悪化することがあるなどのデメリットもあります。

 透過する波長の特性も大きく分けて二種類あります。幅広く波長を透過し、光害の波長をカットするマイルドなフィルターと、4種類の輝線(Hα、Hβ、Sⅱ、Oⅲ)や特定の波長のみを透過するナローバンドフィルターです。ナローバンドは狭帯域という意味です。前者は天の川などの銀河を気軽に撮影するのに向いています。後者は撮影対象によってフィルターを使い分けたり、画像の合成をする必要があるので、天体の特性や撮影機材、画像処理をよく理解していないと使いこなすのは難しいでしょう。

  じゃあ波長域が広い銀河を撮影する場合は、マイルドなフィルターの方がいいのかと言われれると、必ずしもそうとは言えません。確かに天の川の星景写真で使うならそれ(特にStarrynight)がベストですが、光害の影響をとことん減らして撮りたいときはナローバンドフィルターや短波長カット(バンドパス?)フィルターで撮影し、画像を合成する方法があります。例えば4輝線を透過するナローバンドで撮った画像に、バンドパスを使って4輝線と光害以外の波長を写した画像を合成すれば、可視光で見える範囲の銀河をほとんど再現することができます。簡単にまとめると、波長域が広い天体(銀河)は光害の波長のみカットし、特定の波長を発する天体(星雲など)ならその波長だけ透過させればいいのです。

 最近特性曲線を見ていて気が付いたのですが、ナローバンドフィルターは光害だけでなく月明かりも抑制できますね。月は太陽光線を反射して輝いているので、太陽光の波長とほとんど同じです。太陽の波長、可視光線400nm~800全域が月の波長になるわけです。ナローバンドはその波長域から観測に必要な波長だけ透過するので、光害と同じ考え方で月明かりの影響が抑えられていることが分かります。

 今回の記事はこれで終わりますが、光害カットフィルターは意外と奥が深く、まだまだ撮影、画像処理方法に応用の余地を感じました。

 東京都青梅駅周辺でStarrynightを使用して撮影。DeepSkyStackerで加算平均合成しました。訳あってグレースケールの画像になっています。レベル補正等の処理は行っていません。

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Nikon D7100 75mmF2.8 ISO100 SS30s×16

 

www.lightpollutionmap.info

www.kenko-tokina.co.jp