ノイズ解析を試みる。①
カメラ:SV305-sj
センサー:IMX290
露出などの設定条件はよく使う設定で調べました。
方法:ダークフレームを2のn乗ごとにスタックして、スタック後の画像をマカリで最大、最小の輝度情報(RGB)を読み取り、PDFで出力。PDFの値をExcelでグラフ化。
露出時間30秒 Gain30(最大)
解説
・枚数は2 4 8 16 32 256の順で撮りました。128だけ別撮りです。
・8枚まではノイズ量が減っています。stack枚数を増やしたことによる減少です。センサー温度が上がる前だと考えています。また、SN比は撮影枚数の√n倍で高くなるので、これがダークフレームのノイズ(固有ノイズや暗電流ノイズ)に適応されるとすれば、2枚から8枚までの急激なノイズ減少の説明がつきます。ダークフレームのノイズはよく分かっていないので(ノイズに関して詳しく説明している記事があまりない)、海外のネット記事や洋書も含めて探してみます。
・8枚(左から3つ目)からノイズ量が増えています。おそらくこれはセンサー温度の上昇による増加だと思います。
・128枚だけ別の日に撮ったのであまり意味はないのですが、撮影したときカメラがかなり熱かったです。グラフにもその影響がはっきり出ています。
課題
センサー温度を一定に保つこと。
SV305は非冷却CMOSカメラなので、センサー温度を保つことが出来ません。これは撮影枚数、時間が増えていくに連れセンサー温度が上昇し、ノイズの発生量が変化することを意味します。なので今更ながらも上のグラフはあまり意味がないかもしれません。しかしおおよその傾向と温度変化がどのくらいノイズ量に影響しているのかを掴むことはできます。例えば、グラフでは8枚目からノイズが増えていました。30s×2+30s×4+30s×8=420sです。撮影開始からおよそ7分のときには、既にセンサー温度が高くノイズもかなり発生していました。
解決策
カメラの冷却しかありません。方法はまだ模索中です。
クーラーボックスの中に保冷剤を詰め込み、カメラを覆った容器の中にボックス内の空気を流すという手も考えていますが、それでセンサーまでしっかり冷やしきれるのか疑問が残ります。最終手段はカメラを分解して空気が行き渡るように改造することですが、あまりやりたくはありません。それかペルチェ素子が結構安く手に入るので、ダーク専用のクーラーボックス作る手もあります。電源の調達には苦労しそうですが。水冷はリスクがでかいのと単純にめんどくさいので考えていません。
いずれにせよ次回はかなり先になりそうです。
妹が夏休みの自由研究でミクロの写真を撮っていたので、望遠鏡も小さいものを拡大できる点で同じだと教え、天文系に誘導してあげたら星座と銀河に興味を持ったようです。その調子でいろんな分野について知って、感じて、成長していってほしいなと思いました。